Ear Theatre

Official Website: www.eartheatrerecords.com

Listen to Ear Theatre at Soundcloud: www.soundcloud.com/eartheatre

優れたレコードプロデューサーのジョエル・ドーンはスチュワート・レビーンの親友の一人である。ジョエルのクレジットをリストにすると全盛期のAtlantic Records Jazz レーベルに加えてRoberta Flack, Les McCan, Rahsaan Roland Kirk, Hank Crawford, Fathead Newmanその他、多くのミュージシャンが名を連ねる。スチュワートとジョエルが最初に会ったのはジョエルがまだフィアデルフィアでDJをしている時代だった。彼らは別の街に住んでる事が多かったが、毎日の様に電話で話をしていた。二人の会話はいつも馬鹿げた話ばかりだったが、当時の二人が仕事で出会った素晴らしいジャズ・ミュージシャン達の話もよくした。自分たちがこの黄金期にこの世に存在できたこと、スペシャルなミュージシャン達と知り合え、共に遊び、仕事が出来る事に二人は感謝した。

スチュワートが過去にジャズのサックスプレイヤーであった事をサニー・レビーンの音楽プロダクションでのスチュワートのホーンを聴いて初めて気づき、ジョエルは「自分のことをやれよ」とスチュワートにプレッシャーをかけはじめた。ジョエルは電話中によく「レビーン、僕に曲を弾いてくれよ。まだ僕のリクエストを聞いてくれるだろう?」と言った。 スチュワートのいつもの答えは「何が聴きたいんだい?」。 ジョエルはタイトルを思いつきスチュワートに伝えると、時にLester Youngの言葉を引用して「Man, それは弾けないよ。言葉を知らないんだ」と言った。事実上、歌詞辞典であったジョエルは歌詞を美しく朗読し、スチュワート はそれに応えるように電話越しにサックスかクラリネットを演奏した。 ジョエルの答えはいつも「レビーン、もし僕がそんな風に演奏できるならプロデューサをしてないよ。自分のレコードを作りなよ。 一体、何を失うというんだ?例えそれが僕と君だけのものであっても・・・。」と言ったが、スチュワートは「何を言ってるんだよ。すでにこういった曲の素晴らしいレコードは全て作り出されてるさ!」と答えるばかりだった。それでもドーンは「でも、君は“君のノイズ”をもってるんだ。君には何か表現するべきことがあるって、僕には分かってるんだ。」と主張しつづけた。

ジョエルは2007年の12月に他界した。このEar Theatreシリーズは彼の思い出によせている。

「窓に明かりを灯し続けるんだ」—ジョエル・ホーン